岡嶋二人 著 講談社文庫 2018/1/3読了 ★★★★
今月から読書メモを再開。
まあ、本当に簡単なメモ程度にしておこう。
最近はミステリーに興味が移っていて、
昨年、このメモをつけなくなった後に、森博嗣、高田崇史その他を
読みまくった。
今年は、ミステリーの中でも評判の良いものを選んで読もうかな、
と思ってまず読んだのが、「クラインの壺」。
VRゲームものの先駆のような作品なのだけれど、
初出が1989年というのがすごい。
あとがきにあるように、パソコンをマイコンと呼んでいた時代、
ノートパソコンが初めて出た年。
もちろんインターネットなど全然普及していない。
パソコン通信が始まった頃かな?
そんな時代にこの臨場感。
バーチャルリアリティーの陶酔感、違和感、生々しさが
感覚的に迫ってくる。凄いとしか言いようがない。
とはいえどうしても、なんとなく話の先が見えてしまい、
読後の高揚感に欠けたので★ひとつマイナス。
古い作品なのであたりまえだとは思うんだけれど、
筒井康隆なんかは今読んでも新鮮でエキサイティングだから
それに比べると、ということで。