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読書メモ

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エドワード・ゴーリーが愛する12の怪談 憑かれた鏡

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エドワード・ゴーリーが愛する12の怪談 憑かれた鏡

ディケンズ/ストーカー他 E・ゴーリー編 柴田元幸 他訳 河出文庫 
2016.9.21 読了 ★★★★

エドワード・ゴーリーという人を知らなかったのだけれど、巻末の説明によると、作家、編集者、デザイナー、イラストレーター等、様々な顔を持つ、多彩な人であったようだ。舞台美術でトニー賞を受賞したり、アニメーションの制作に関わったりもしていた。1925年生まれ。2000年没。

そんな奇才が自ら選び、編集した12の怪談集。それぞれの作品の扉のイラストも、ゴーリーが描いている。その扉絵が良い。丹念に重ねられた描線によって生まれる、暗い陰の部分には何かが蠢き、白く抜かれた部分には無機質な恐怖が反射しているようで、思わずごくりと唾をのんでしまう。

12の短編はどれもよりすぐりの傑作ばかり。これらの古典的な名作を、さてどうやって配置すれば最も効果的に読者を驚かせることができるのか。そんなことを考えるのはとても楽しそうだ。実際、趣の異なる怪談が絶妙に並んでいるので、一作読み終えると、次の作品の趣向が気になるという繰り返しだった。怪談好きの読者をうならせる、心憎いサーヴィス精神。
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