reading is livingな無職生活なのに、読んだ端から忘れてしまうのが悲しい。ので、記録をつけることにしました。ネタバレです。
「後光殺人事件」小栗虫太郎 青空文庫(キンドル) 2016.8.25読了 ★★★
名高い「黒死館殺人事件」を読み始める前のウォーミングアップとして「聖アレキセイ寺院の惨劇」と一緒にダウンロード。青空文庫で0円。「黒死館」に登場する探偵法水麟太郎が登場するものを順に読んでいく予定。小栗虫太郎は電子書籍では読みにくいのでは?と思って「黒死館」の前に試し読みをしたわけだけれど、そんなことは全然なかった。その場で辞書を引いたりwiki検索ができるので、かえって便利。
内容。犯人が精神分析フロイト派?の技術を駆使して被害者を追い込み、精神的に退行させた結果、被害者は頭頂部の頭蓋の隙間から慎重に凶器を突き刺されてもじっとしたまま恍惚として死を迎えているという、なんともいえない状況。とっても痛かっただろうに。心理学の扱いとかに、この小説が書かれた昭和8年の状況が思われ、味わい深い。舞台となったお寺が小石川あたりにあって、うちから近いため、「蒟蒻閻魔の縁日」なんていうローカルな話題が出てきてちょっと楽しかった。
「聖アレキセイ寺院の惨劇」 青空文庫(キンドル) 2016.8.25読了 ★★★
ニコライ堂だったら同じくうちの近所なのだけど、こちらはニコライ堂そっくりのロシア正教寺院ということでした。殺人の実行方法と、あり得ない鳴り方をした鐘について巧妙なトリックが仕掛けられ、探偵法水がそれを解く、という話なんだけど、読み終えても何がどうなっていたのかよくわからなかった。そして、結構な年齢になってから日本に亡命したはずの白系ロシア人が日本語ぺらぺらで読み書きもokなのはどうなんだろう、と思った。当時の日本にそういう人たちがけっこういたんだとしたら、すごいけど。
〔2016.9.2追記 黒死館殺人事件を読んだ後で思うに、これはたぶん、探偵法水がロシア語を話しているか、もしくは両者が第三国語(英語か仏語か独語?)を使ってコミュニケーションをとっているのでは。〕