日向夏 著 ヒーロー文庫(主婦の友社) 2016.12.2.読了 ★★★★
毎巻楽しみに読んでいるシリーズ。もともとウェブの小説で、今でもウェブの更新が先行し、それに手を加えた形で出版されているので、ウェブと比較して読むのも楽しい。
ヒロインの薬屋は妓楼育ち。医官であった義父(実は叔父)から薬の調合を仕込まれて、調合と毒の試食を好む紙一重の天才タイプ。彼女の血縁はこういう偏った天才が多い。
一方ヒーローは皇弟(実は皇子)でこの世ならぬ美貌をもちながら、地道で真面目なワーカホリックの苦労性で、自分はどんなに努力しても秀にはなれても優にはなれない凡人である、とコンプレックスを持っていたりする。
中国の唐王朝っぽい時代設定で、主人公が、後宮で女官をしたり、市井で薬屋を営んだりしながらヒーローにこき使われて数々の謎を解いていくと、大きな陰謀に行き当たる、といった趣向。この後の巻では蝗による飢饉や他国の陰謀があったりと、ますます盛り上がりそうだ。