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読書メモ

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火刑法廷

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火刑法廷

ジョン・ディクスン・カー著 加賀山卓朗訳 ハヤカワ文庫 2016.12.5.読了 ★★★★


オカルトとミステリーの融合というと、日本では民俗学や地方の古い因習なんかがテーマになったりする。ヨーロッパでは魔術、錬金術、魔女の存在が大きそうだ。なんといっても有史以前からの歴史があるわけだから。

「火刑法廷」の舞台はアメリカだけれど、やはり魔女の話だ。ニューヨークの出版社に勤める編集者である主人公は、作家の原稿に挟まれていた、70年ほど前に殺人罪でギロチン刑に処せられた女性の写真を見て、自分の妻に瓜二つで、さらに同じ名前であることに動揺する。そして数百年前に火刑に処せられた、同じ名の魔女の存在。彼女たちは同一人物なのか?

・・・と書くと、現実から離れたファンタジーのようだけれど、これに現実の殺人事件がからみ、様々な証言と謎に取り巻かれるうちに、突拍子のないはずの話に説得力が生まれてくる。そうして恐怖と混乱のただなかに陥った主人公の目前の霧を吹きはらうように、快刀乱麻を断つが如く、合理的にすべての謎を解く人物が現れる。彼の推理はどのように立証されたのか。そして事の真相は・・・?

最後の最後でのどんでん返し。それがあるからこそ、この作品は時代を超えて読み継がれる傑作になったのだ、という旨があとがきに書かれているけれど、これについては、どうだろうな、と思う。逆じゃないかな。なんというか、発表当時は印象的なラストだったんだろうけれど、今読むと余計な気がする。
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